買取場所が船の中らしくて、1週間後の横浜の大さん橋国際客船ターミナルに停泊する日に来てほしいとの事だった。
買取当日、大さん橋に到着すると大きい船が停まっていたので、すぐにこの船だと分かった。
国際ターミナルロビーの2階に行き、打ち合わせ通り担当者に電話をすると、すぐに船の制服に身を纏った綺麗で感じの良い女性が迎えに来てくれた。
船の入り口で身分証を提示して船内に入っていく。
フェリーにはたまに乗る事はあるが、こういった客船の中に入るのは記憶にない。
船内エレベーターで６階まで行き、興味津々にきょろきょろと辺りを見渡しながら、綺麗な担当者の後をついて行く。
事務所のような一室に辿り着くと、大きいダンボールに入ったDVDが５箱程テーブルの上に置かれていた。
検品しながら査定をしていくと、ケースとディスクのレーベル面に管理シールや油性マジックで番号が書かれていた。
どうやら乗組員用に貸し出しているDVDのようだ。
ケースに書かれている番号やシールはどうにか処理する事は出来るが、ディスクのレーベル面に油性マジックで書かれている物はどうしようもない。
表面がツルツルのレーベル面、又は素材によっては取れるのもあるかもしれないが、ほとんどは無理だろうとなと思った。
その結果、なんとか買取出来たDVDは350本中僅か20本程度だった。
買取出来なかったDVDは引き取ってほしいと言われたので少し考えた。
通常なら買取出来なかった物は持参の100サイズのダンボール1箱分までなら引き取りを行うのだが、明らかに1箱を超えている。
通常ならお断りするが、今回は船の中での買取りという事もあり、特殊なケースだったので全て引き取る事にした。
この仕事をしているといろんな場所に出張買取りに行くが、船は初めてだった。
やはり、何でも未経験の物事は刺激があって面白い。
その刺激を大事にしつつ、何事にも楽しみながら信念をもって取り組んでいきたいと思います。
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